suコマンドによるrootへのスイッチを制限する

pamモジュールを使って、suコマンドによるrootアカウントへのスイッチを制限する事が出来ます。

rootアカウントのパスワードが分からなくても、パスワード推測攻撃などによって一般ユーザーからrootアカウントへ昇格されてしまうリスクがありますが、”pam_wheel”PAMモジュールを使うと、suコマンドの使用を”wheel”グループに属するユーザーに限定する事が出来ます。
 

設定方法


 
①”wheel”グループが存在することを確認
 
# grep ^wheel /etc/group
 
②”pam_wheel”PAMモジュールに設定追加
 
“/etc/pam.d/su”内に設定を追加します。
 

suコマンドの使用を”wheel”グループのみに制限する場合


 
下記設定をコメントアウトします。(存在しない場合は追加)
 
auth required pam_wheel.so use_uid
 
この場合、rootアカウントへのスイッチだけでなく、他のユーザーへのスイッチも”wheel”グループ以外のユーザーはできなくなります。
 

rootアカウントへのスイッチのみ制限し、現在実行中のユーザーアカウントを基にチェックする場合


 
下記のように”root_only”オプションを追加します。
 
auth required pam_wheel.so use_uid root_only
 
現在実行中のユーザーアカウントが”wheel”グループに属しているかチェックします。最初にログインしたユーザーがwheelグループに属さない一般ユーザーで、その後、suコマンドでwheelグループに所属するユーザーにスイッチした場合もOKになります。
 

rootアカウントへのスイッチのみ制限し、オリジナルのユーザーアカウントを基にチェックする場合


 
下記のように”use_uid”オプションは外します。
 
auth required pam_wheel.so root_only
 
最初、”wheel”グループに属さないユーザーでログインし、その後、suコマンドで”wheel”グループに属するユーザーになった場合はNGとなります。

関連記事の目次
 
ネットワーク、ポート番号
  • iptablesを使ってCentOSのファイアウォール設定
  • nmapでオープンしているポート番号とバージョンを確認
  •  
    rpmパッケージ、サービス
  • CentOSで不要なサービスは起動しないようにする
  • RPMパッケージのインテグリティチェック
  •  
    パーミッション
  • CentOSのumaskの設定
  • cronで使用するファイルのパーミッション設定
  • ユーザーホームディレクトリ内の権限設定をセキュアにする
  • CentOSのパスワードファイルのパーミッション設定
  • findコマンドでファイル書込権限をいっせいにチェック
  • findコマンドでセットユーザ(グループ)IDが不要にセットされていないかチェック
  • findコマンドで所有者、グループが存在しないファイルを抽出
  •  
    ログイン、認証、パスワード、アカウント制御
  • ログイン時などに表示されるシステムバナーを変更するには?
  • CentOSのユーザーアカウントのパスワードポリシーを設定
  • pam_cracklibモジュールでパスワードポリシーを設定
  • pam_unix.soモジュールを使って過去のパスワード再使用を制限する
  • システムコンソールでのrootログインを制限する方法
  • suコマンドによるrootへのスイッチを制限する
  • root権限でのコマンド実行、sudoだと監査ログが取得できる
  • デーモン用アカウントなどに対しシェルを使用を無効にする
  • パスワード認証を失敗時にアカウントをロックアウトする設定
  • rootアカウントのPATH環境変数のセキュリティについて
  •  
    auditdでシステム監査
  • auditdを使ってシステム監査
  • auditdのログ容量の設定
  • auditd監査ルールの設定方法
  • auditdで時間設定変更操作を監査する
  • auditdでユーザー・グループ設定ファイル変更操作を監査する
  • auditdでネットワーク関連の設定変更を監査する
  • auditdでログイン記録のログファイルの変更を監査する
  • auditdでファイル所有者や権限の変更に関するイベントを監査する
  • auditdでsetuid、setgidプログラムの実行を監査する
  • auditdでマウント操作を監査する
  • auditdでファイル削除操作を監査する
  • auditdでsudo設定ファイルに対する操作を監査する
  • auditdでカーネルモジュールのロード、アンロードを監査する
  • マシン再起動後にauditdの設定変更を有効にする設定
  • ausearch、aureportで監査ログのサマリレポートを作成
  •  
    ツール
  • NTPのセキュリティを考慮した設定
  • セキュリティを考慮してX Windowsを設定または削除する方法
  • ファイルの改ざん対策用にTripwireを導入
  • CentOSにホスト型侵入検知ソフトAIDE(Advanced Intrusion Detection Environment)を導入
  •  
    トラブルシューティング
  • アイドルのシェルを自動で強制終了させるには?
  • CentOSでコアダンプを無効にする方法
  • Linuxのbash脆弱性CVE-2014-6271、Shellshockを修整
  • CentOSでバッファーオーバーフロー脆弱性に対する防御機能が有効になっているか確認する

  • コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

    このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください