initctlコマンド概要、使用方法

initctlコマンドの概要、使用方法をmanを見てまとめました。

※目次をクリックすると目次の下部にコンテンツが表示されます。

initctlコマンドの概要
○構文
initctl [OPTION]… COMMAND [OPTION]… ARG…
 
・管理者がUpstartパッケージのinitデーモンから情報を取得したり、制御したりできる。
・initctlを実行する際、最初の非オプションの引数がコマンドとなる。
・グローバルオプションは、コマンドの前後に指定する。
 
○オプション
–system、–dest、–no-wait、–quiet
 
○コマンド
start、stop、restart、reload、status、list、emit、reload-configuration、version、log-priority

statusコマンド
○コマンド構文
JOB [KEY=VALUE]…
 
・名前付ジョブのインスタンスのステータスを出力。
 
○出力の形式
ジョブ名 ゴール/状態, process プロセスID
 
・ゴール:start、stop
・状態:waiting,starting,pre-start,spawned,post-start,running,pre-stop,stopping,killed, post-stop
 
・pre-start、post-stopの場合は、メインプロセスが実行される前後の状態なので、メインプロセスではなくその該当するプロセスのIDで、それ以外はメインプロセスのプロセスIDが表示される。
 
・post-start、pre-stopの場合は、複数のプロセスが関係するので次の行にプロセスIDが表示される。
例)
job start/post-start, process 1234
            post-start process 1357
 
・メインプロセスがない場合は、下記のように表示される。
例)
job start/post-start, (post-start) process 1357
 
・複数のインスタンスを持つジョブの場合はジョブ名の後に括弧でインスタンス名が表示される。
例)
job (tty1) start/post-start, process 1234
            post-start process 1357

listコマンド
ジョブとインスタンスのステータスのリストを表示。
表示形式はstatusと同じ。
 
●実行例

$ initctl list
rc stop/waiting
tty (/dev/tty3) start/running, process 1724
tty (/dev/tty2) start/running, process 1722
tty (/dev/tty1) start/running, process 26177
tty (/dev/tty6) start/running, process 1730
tty (/dev/tty5) start/running, process 1728
tty (/dev/tty4) start/running, process 1726
plymouth-shutdown stop/waiting
control-alt-delete stop/waiting
rcS-emergency stop/waiting
kexec-disable stop/waiting
quit-plymouth stop/waiting
rcS stop/waiting
prefdm stop/waiting
init-system-dbus stop/waiting
splash-manager stop/waiting
start-ttys stop/waiting
rcS-sulogin stop/waiting
serial (ttyS0) start/running, process 1720
 
$ initctl status tty TTY=/dev/tty3
tty (/dev/tty3) start/running, process 1724

startコマンド
○コマンド構文
start JOB [KEY=VALUE]…
 
・名前付ジョブの新しいインスタンス開始を要求
・コマンド完了時にジョブのステータスを標準出力に表示
・オプションで開始するジョブに渡す環境変数を指定出来る。
・マルチインスタンスジョブのどのインスタンスを開始させるか指定する事もできる。
・ジョブがすでに実行中の場合はエラーになる。

stopコマンド
○コマンド構文
stop JOB [KEY=VALUE]…
 
・名前付ジョブのインスタンス停止を要求。
・コマンド完了時にジョブのステータスを標準出力に表示

restartコマンド
○コマンド構文
restart JOB [KEY=VALUE]…
 
・名前付ジョブのインスタンスリスタートを要求。
・コマンド完了時にジョブのステータスを標準出力に表示
・ジョブのインスタンスが存在する場合のみ有効。

reloadコマンド
○コマンド構文
reload JOB [KEY=VALUE]…
 
・名前付ジョブインスタンスの実行中のプロセスにSIGHUPシグナルを送信

emitコマンド
○コマンド構文
emit EVENT [KEY=VALUE]…
 
・引数で指定した名前のイベントを発行。
 設定ファイル内の”start on”、”stop on”スタンザの設定状態によって、このイベントによってジョブが開始したり停止したりする。
 
・KEY=VALUEで環境変数を指定でき、このイベントによって開始or停止されるジョブの環境にエクスポートされる。
 
・デフォルトのUpstartパッケージで一番よく使用されるイベントはrunlevelイベント。
runlevelイベントはtelinitやshutdownツールによって発行される。

reload-configurationコマンド
・設定ファイルをリロード。
・このコマンドは通常は必要ない。
initは、inotifyを使って設定ファイルディレクトリ内を監視していて、ファイルが変更されると自動でリロードする。

log-priorityコマンド
○コマンド構文
log-priority [PRIORITY]
 
・引数で指定したプライオリティ以上のメッセージをログ記録する。
・PRIORITYで指定出来るのは下記のいずれ。
debug, info, message, warn, error, fatal

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