AngularJSカスタムディレクティブのlink関数とcompile関数

AngularJSカスタムディレクティブのlink関数とcompile関数について、ライフサイクル上の違いを確認し、compile関数を使ったサンプルコードを作成しました。

デモとコードサンプルはこちら
 
※目次をクリックすると目次の下部にコンテンツが表示されます。

AngularJSアプリのライフサイクルにおけるcompile関数とlink関数
①HTMLページロード中
 
・AngularJSのソースコード、アプリのJavaScriptコードをロード。
 
②HTMLページのロード終了
 
③document readyイベント発行
 
・AngularJSが起動し、HTML内のng-appディレクティブを探索。
 
④すべてのディレクティブを探索
 
・ng-appディレクティブ内のHTMLの各行を1行ずつ走査し、AngularJSのディレクティブを探索。
・ディレクティブのテンプレートがサーバーやローカルの定義からロードされる。テンプレートはキャッシュされ再利用される。
 
⑤compile関数を実行
 
・すべてのディレクティブを認識したところでAngularはcompile関数を実行する。
・compile関数はリストアップされたlink関数をリターンする。
 
⑥link関数を実行、scopeを結合
 
・そのディレクティブ用のスコープが生成または取得される。
・リストアップされたlink関数を一つずつ実行する。
・HTMLがscope変数を参照している場合は、scope内の変数の値を取得してブラウザのUIに表示。
・このscopeを保持するコントローラ、サブコントローラがインスタンス化される。
・すべてのディレクティブとバインディングに対するwatcherとlistenerを追加し、各フィールドの変化を検知する。
 
~この仕組みによってディレクティブによって生成されたテンプレートが正しいスコープに対して評価され、DOMに変換、イベントに反応できる。
 
~ng-repeatなどそのディレクティブが何度も複製が必要となる場合は、compile関数が複製されたテンプレートを一度だけ実行するのでパフォーマンス上有利になる。
 一方、link関数は複製されたインスタンスを逐一実行する。

カスタムディレクティブのcompile関数
1)構文
 
compile: function(tElement, attrs) { … }
 
tElement:そのディレクティブが適用される要素
tAttrs:その要素で定義される正規化された属性のリスト
 
2)compile関数の概要
 
・compile関数は、link関数が実行される前にDOMの変換を行う。
 
・compile関数はscopeにアクセスはせず、link関数を返さなければならない。
 
・compile関数が無い場合は、通常通りlink関数を定義出来る。
 
・多くのディレクティブは、link関数内でのみ作用するイベントリスナー、watchersの登録、DOMの更新などを行うのでlink関数のみで動作する。
 
・クローンを必要としたり、DOM要素を何度も繰り返し使用するng-repeatのようなディレクティブは、link関数を実行する前にcompile関数を使用する。

サンプルコード
compile関数を使ったカスタムディレクティブのサンプルを作成しました。
 
デモとコードサンプルはこちら

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