“お名前.com”のVPSを例に示します。
VPSサーバーの申込み手続きが終了すると、初期セットアップの手順がメールで届きます。
1)VPSサーバーの管理画面にログイン
初期セットアップ手順に従って管理画面にログインします。(”お名前.com”では、”コントロールパネル”と読んでいます。)
2)VPSサーバーの初期セットアップ
“お名前.com”では、この時点ではサーバーが使用できる状態になっていなく、”初期セットアップ”が必要です。
といっても、管理者用の”root”ユーザーでログインすると、”初期セットアップ”画面が表示されますので、”実行”ボタンを押すだけです。
3)最低限必要な情報の確認、設定
コンソール画面からサーバーにログインします。”お名前.com”のコントロール画面は、下図のようになっています。
ここでは、必要最小限の情報のみ確認、および設定を行います。
①サーバーのIPアドレスを確認
コンソール画面から、”ifconfig”コマンドを実行します。
赤字の部分にIPアドレスが表示されます。
(実行例)
# ifconfig
eth0 Link encap:Ethernet HWaddr xx:xx:xx:xx:xx:xx
inet addr:xxx.xx.xxx.xxx Bcast:xxx.xxx.xxx.255 Mask:255.255.255.0
②一般作業用のユーザーを作成
今は管理者用の”root”で作業していますが、システム全体に関わる作業も行う事ができるため、操作ミスした場合にはシステム全体に大きな影響を与えてしまう事もあります。通常の作業は一般のユーザーで行うようにします。
次のコマンドで一般ユーザーを作成します。ここでは、仮に”test-wp”というユーザーを作成します。
ユーザー作成後、そのユーザーのパスワードを設定します。
●実行例
# useradd test-wp # passwd test-wp Changing password for user test-wp. New password: Retype new password: passwd: all authentication tokens updated successfully.
※ユーザー管理についての詳細は下記記事参照
CentOS6のユーザー管理の概要とコマンド操作
4)SSH接続用のPrivate Keyの設定
今回は、Webブラウザを使用して管理画面(コントロールパネル)からサーバーにログインしましたが、次以降はSSH(Secure Shell)を使ってログインできるように設定します。
このSSHでサーバーにログインする際には、セキュリティを考慮し、公開鍵認証という方法を使用しています。
その設定に必要なPrivate Keyをサーバーから自分の端末にダウンロードする必要があります。
①Private Keyをダウンロード
コントロールパネルの左サイドメニューに”SSH Key Pair”というボタンがあり、そこから、Private Keyを自分のパソコンにダウンロードします。
②サーバーの公開鍵をコピー
次にサーバー側の一般ユーザー用(以下の例では”test-wp”)ディレクトリに、サーバーの公開鍵(”/root/.ssh”ディレクトリ内にある)をコピーします。
●実行例
# cp -r /root/.ssh /home/test-wp/.ssh # cd /home/test-wp # chown -R test-wp.test-wp .ssh # ls -al .ssh total 12 drwx------ 2 test-wp test-wp 4096 Feb 4 14:58 . drwx------ 3 test-wp test-wp 4096 Feb 4 15:06 .. -rw------- 1 test-wp test-wp 283 Feb 4 14:58 authorized_keys
(説明)
1行目:rootユーザーの”.ssh”ディレクトリに公開鍵の設定ファイルがあります。
ディレクトリごと(”-r”オプションを指定)コピーします。
2行目:一般ユーザーのホームディレクトリに移動します。
3行目:コピーした”.ssh”ディレクトリの所有者が”root”になっているため、該当ユーザーに変更します。ディレクトリとその配下のファイルに適用するため”-R”を指定します。
以上でブラウザからサーバーにログインして確認、設定する作業は終了です。
次以降は、SSHを使用してログインします。
※SSHの鍵ファイルの詳細、SSH接続の仕組みについては以下の記事参照。
・OpenSSHの設定ファイル、鍵ファイル
・SSH接続の仕組み
“Tera Term”を使ってログインすると、それ以降、コマンド実行による操作が可能になります。
Tera Termでは、操作した内容の記録をログファイルとして記録する事が出来ます。問題が起きた際の調査に使用できますので、ログを取得するようにしましょう。
上部メニューの”ファイル”→”ログ”→保存場所、ファイル名を指定するとログを記録できます。