pamモジュールを使って、suコマンドによるrootアカウントへのスイッチを制限する事が出来ます。
rootアカウントのパスワードが分からなくても、パスワード推測攻撃などによって一般ユーザーからrootアカウントへ昇格されてしまうリスクがありますが、”pam_wheel”PAMモジュールを使うと、suコマンドの使用を”wheel”グループに属するユーザーに限定する事が出来ます。
設定方法
①”wheel”グループが存在することを確認
# grep ^wheel /etc/group
②”pam_wheel”PAMモジュールに設定追加
“/etc/pam.d/su”内に設定を追加します。
suコマンドの使用を”wheel”グループのみに制限する場合
下記設定をコメントアウトします。(存在しない場合は追加)
auth required pam_wheel.so use_uid
この場合、rootアカウントへのスイッチだけでなく、他のユーザーへのスイッチも”wheel”グループ以外のユーザーはできなくなります。
rootアカウントへのスイッチのみ制限し、現在実行中のユーザーアカウントを基にチェックする場合
下記のように”root_only”オプションを追加します。
auth required pam_wheel.so use_uid root_only
現在実行中のユーザーアカウントが”wheel”グループに属しているかチェックします。最初にログインしたユーザーがwheelグループに属さない一般ユーザーで、その後、suコマンドでwheelグループに所属するユーザーにスイッチした場合もOKになります。
rootアカウントへのスイッチのみ制限し、オリジナルのユーザーアカウントを基にチェックする場合
下記のように”use_uid”オプションは外します。
auth required pam_wheel.so root_only
最初、”wheel”グループに属さないユーザーでログインし、その後、suコマンドで”wheel”グループに属するユーザーになった場合はNGとなります。