Webワーカーの基本的な概要について確認し、サンプルコードを作成してみました。
(1)Webワーカーの概要
●JavaScriptの並行処理の問題点
・JavaScriptは単一スレッド環境であり、複数のスクリプトを同時に実行することはできない。
例えば、一つのイベントハンドラーが実行中はイベントのタイマーをトリガーできない。
●Web Worker API
・Webワーカーは、WindowやDocumentオブジェクトへのアクセスではなく、スレッド形式のメッセージパッシングによって並列性が実現している。
・同時にDOMを更新するような操作はできないが、UIや他のスクリプトによるユーザーインタラクションの処理をブロックすることなく、長時間実行のタスクの処理などができるようになる。
・Webワーカーの仕様には、専用ワーカーと共有ワーカーの2種類がある。
※・専用ワーカー
※・共有ワーカー
(2)Webワーカーを使った簡単なサンプルを作成
●サンプルコード
(HTML) <script> var worker = new Worker('worker1.js'); worker.onmessage = function (event) { document.body.innerHTML += "<p>バックグラウンドのスレッドからのメッセージ: " + event.data + "</p>"; }; </script> <body> <div class="container"> <strong>Workerの実行テスト</strong> </div> </body> (worker1.js) postMessage('開始'); for(i = 1 ; i
●サンプルコードの説明
①バックグラウンドスレッドを別ファイルで定義(worker1.js)
・Webワーカーは独立したスレッドで動作するので、Webワーカーによって実行されるコードは個別のファイルに格納する必要がある。
②メインファイルでWorkerオブジェクト作成
var worker = new Worker('worker1.js');
・指定されたファイルが存在する場合、ブラウザは新しいワーカースレッドを生成する。
・このスレッドは非同期でダウンロードされる。
・ファイルのダウンロードが完了してファイルが実行されるまで、ワーカーは開始されない。
③メッセージパッシングによりワーカーと通信
・ワーカーはpostMessage()メソッドを使ってデータを送信する事が出来る。
postMessage()メソッドに渡されたデータはコピーされ、コピーされたデータはメッセージイベントを介してWorkerオブジェクトに渡される。
※この例では、onmessageイベントで送信されたデータを受け取っている。